死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
「友達はごまかせないだろ。いっそ、本当のこと言えば?」


シレッとそんなことを言う厚彦に梓は大きく目を見開いた。


そしてシャーペンを2度ノックする。


ノーの意味だ。


「なんでだよ? 梓のこと心配してくれてるんだぞ?」


(そうだけど、幽霊が見えるなんて信じてもらえるわけないじゃん!)


梓は必死で目で訴えかける。


「そこになにかあるの?」


空中を睨みつけることになってしまった梓に、玲子は更に質問をしてくる。


(まずい……!)


背中から冷汗が流れた時だった。


不意に厚彦が梓のシャーペンを奪い取っていた。


「あっ!」


思わず声を上げる梓。
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