死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
「う~ん、あたしにはなにも感じないみたい」


一生堅命厚彦の存在を感じ取ろうとしていたみたいけれど、上手くいかなかった。
すると厚彦が玲子の前髪に触れた。


窓も開いていないのに、フワリと揺れる前髪。


「!?」


玲子は驚いて身を引く。


「今、厚彦が触ったよ」


「嘘!?」


「本当。本人は笑ってる」


玲子の反応が面白かったのか、厚彦は隣で声をあげて笑っている。


「物に触れることができるの?」


玲子は驚いて聞いている。


「そうみたい。こちらからは触れられないのにね」


そう言って梓は厚彦の肩を叩いてみる。


その手はすり抜けて、空中を行き来するだけだ。


「それってなんかずるいなぁ」


玲子は首をかしげ、眉間にシワを寄せている。


「あたしたちに霊感があれば、触ることもできたかもね?」
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