死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
「そこに男子生徒が座ってるんだって」


「嘘……」


梓の説明に玲子は青ざめる。


しかし、今度は気絶するようなことはなかった。


「名前はユキオというらしい。ずっと、ここから離れられないんだって」


厚彦の説明を、梓はそのまま玲子に伝えた。


「ユキオくんがかわいそう!」


話しを聞いた玲子が不意に声を上げて言った。


顔色は悪いままだけれど、その目はまっすぐに厚彦がいる場所へと向けられている。


「かわいそうって言われても、あたしたちにできることなんてないんだよ?」


梓が玲子をたしなめようとする。


しかし、玲子は引かなかった。


「どうして? カナさんのときは上手くいったんだよね?」


玲子の言葉に梓は黙り込んでしまった。
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