死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
厚彦の存在を理解してくれた玲子に、カナさんとの出来事を説明していたのだ。


「あれは、たまたまうまくいっただけだよ」


梓はどうにか言葉を絞りだした。


あまり、ユキオさんの前でこういうことは言いたくない。


だけど、人助けをする気満々の玲子をたしなめる必要もあった。


「それなら、今回だってうまくいくかもしれないよね?」


「それは……」


梓はまた黙り込んでしまった。


正直わからない。


やってみないことには……。


「ユキオさん、俺たちに向かって頭を下げてる」


(えっ)


厚彦の言葉に梓は驚いて視線を向ける。


そこには窓と床があるだけで、何も見えなかった。


でも確かに、ユキオさんはそこにいるみたいだ。
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