死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
本当にこのまま取材を続けて大丈夫だろうか?


自分たちは今、大きな過去を掘り起こしてしまおうとしているんじゃないだろうか?


「あの時のことを忘れたことは1度もない。ニュースにもなったしな」


小池先生はメガネをはずし、目頭を押さえて行った。


目がつかれたのかと思ってみていたが、うっすらと涙が浮かんでいるのがわかった。


「ニュースになったということは、あたしたちでも調べればわかるってことですよね?」


玲子が言う。


確かにその通りだ。


それなら、歴代のバスケ部の顧問に合うような、回りくどいことはしなくてよかったことになる。


小池先生は玲子の言葉に頷くだけだった。


過去の出来事を思い出し、喉を詰まらせているのがわかった。


「この人になにが起こったんですか?」


玲子は更に質問を重ねる。
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