死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
「合宿所まで、あとどれくらいですか?」


小池先生が運転手に聞いている。


「通常なら10分以内に到着します。でも、これじゃあ――」


運転手がすべてを言い終える前に二度めの落雷が起こった。


ドォン!!


それはバスに直接手りゅう弾を投げつけられたような衝撃だった。


バス内の明かりが一瞬にして消えて、体に強い衝撃が走る。


バスは横転し、体がおもちゃのようにあちこちに投げ出された。


聞こえてくるのは木々がへし折れる音と、沢山の悲鳴。


ユキオさんは咄嗟に胸ポケットに手を入れて、お守りを握り締めていた。


『これ、昨日作ったの。怪我しないように、お守り!』


ミヨちゃんの照れ笑いを思い出す。


大丈夫だよミヨちゃん。


俺、無事に帰るから。


ユキオさんの思いがダイレクトに入ってくる。
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