死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
☆☆☆
バス事故が起こったのはここから1時間ほどの場所にある県境の山だということがわかった。
しかし、バスや電車は山の麓までしか出ていなくて、山中へ向かうすべがないのだ。
「う~ん。山の麓まで行けるなら、そこから歩けるかな?」
玲子がスマホで時刻表を調べて難しい顔をしている。
「ダメだと思うよ? 見た感じ、道幅も狭いし夜になったら街灯もないし」
梓は自分が見てきたものを玲子に伝える。
今ではもう少し改善されているかもしれないが、女子厚生が2人で歩けるような場所じゃないことは確実だ。
もしも怪しい人間に声を掛けられても逃げ道だってない。
「そっか……。それでも行くなら、タクシーってことになるね?」
「そうだね」
タクシーなら山道に入ってもらうこともできる。
でも、そんな高価な乗り物を使うことになるなんて、考えてもいなかった。
「頼む! どうしてもユキオさんを助けたいんだ!」
厚彦が床に頭をめり込ませて懇願している。
比喩や冗談ではなく、本当に半分めり込ませているから怖い。
「わかったから、頭あげてよ」
梓は慌ててそう言った。
バス事故が起こったのはここから1時間ほどの場所にある県境の山だということがわかった。
しかし、バスや電車は山の麓までしか出ていなくて、山中へ向かうすべがないのだ。
「う~ん。山の麓まで行けるなら、そこから歩けるかな?」
玲子がスマホで時刻表を調べて難しい顔をしている。
「ダメだと思うよ? 見た感じ、道幅も狭いし夜になったら街灯もないし」
梓は自分が見てきたものを玲子に伝える。
今ではもう少し改善されているかもしれないが、女子厚生が2人で歩けるような場所じゃないことは確実だ。
もしも怪しい人間に声を掛けられても逃げ道だってない。
「そっか……。それでも行くなら、タクシーってことになるね?」
「そうだね」
タクシーなら山道に入ってもらうこともできる。
でも、そんな高価な乗り物を使うことになるなんて、考えてもいなかった。
「頼む! どうしてもユキオさんを助けたいんだ!」
厚彦が床に頭をめり込ませて懇願している。
比喩や冗談ではなく、本当に半分めり込ませているから怖い。
「わかったから、頭あげてよ」
梓は慌ててそう言った。