死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
今は放課後で、教室には誰の姿もない。


「どうしたの?」


「厚彦がどうしても山へ行ってほしいって言ってる」


「そっか。そのくらい、ユキオさんは悲しんでるってことだよね?」


玲子は真剣だ。


ユキオさんを成仏させるためなら、多少の出費はいとわないのかもしれない。


「俺の部屋に貯金箱がある。それを使ってもいいから!」


「そんなこと言われたって、勝手に持っていくわけにはいかないでしょ」


いくら本人からの了解があっても、本人はすでに死んでいるのだからそんなことをしたら犯罪だ。


「仕方ない。なけなしをお金を使うか」


梓はため息交じりに行ったのだった。
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