死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
休憩時間
「で、次は?」


ある日の休憩時間、不意に玲子が梓にそう質問をした。


「次って?」


梓は首をかしげて聞き返す。


昼間もどんどん気温が下がってきて、そろそろマフラーが必要かなぁと思う季節だった。


「次の成仏させたい幽霊は?」


ハッキリと質問してくる玲子に梓はむせてしまった。


「なに言ってるの? そんなの頻繁にいるわけないじゃん」


梓は呆れて返事をする。


「えぇ~、そうなの?」


玲子はなぜか不服そうだ。


ユキオさんの魂を成仏へ導いてからの玲子は、事あるごとに幽霊がいないか質問してくるようになった。


でも、梓には幽霊が見えないのだから、返事のしようがなかった。


「厚彦くんは近くにいるんでしょう?」


玲子の問いかけに厚彦が「ほいほーい」と、手を上げて見せている。


が、もちろん梓以外には見えない。


さっきから友人の頭の上に座って景色を眺めているが、誰にもとがめられていない。
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