死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
《梓:玲子はどうして幽霊を助けたいの?》


《玲子:え? だって困ってるんでしょう?》


それはそうだけど……。


《梓:もっと、他に理由があったりしないの?》


玲子は怖いものは得意じゃなかったはずだ。


厚彦の存在があるから、少し慣れてきているとしても、自分からどんどん首を突っ込むのは不自然だった。


《玲子:あぁ、もちろんあるよ!》


いつもの調子で肯定する玲子。


《玲子:梓はあたしが俳優の健一郎ラブなのは知ってるよね?》


健一郎という俳優は20代前半で、去年出演した純愛映画が大ヒットしたことで人気度が格段に高まっている。


もちろん、玲子が健一郎ラブなことは梓も周知している。


《梓:知ってるけど、それとこれと関係あるの?》


《玲子:おおありだよ! 今度健一郎が出演する映画、知らない?》


残念ながら知らない。


それを玲子に伝えると、泣き顔とあきれ顔のスタンプが送られてきた。
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