死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
「それ、本当のことだったんだね」


梓はそう言って厚彦にスマホを見せた。


そこには2年A組の緊急連絡として、昨日の夕方厚彦がトラックに轢かれて亡くなったということが書かれていた。


「あ~あ、これでクラス全員にバレたかぁ」


厚彦はのんきにあくびをしている。


「ねぇ、クラス全員であたしをドッキリにかけてるとかじゃないよね?」


厚彦の緊張感のなさに梓が聞く。


厚彦は「ははっ」と笑い声を上げて「こんな大がかりなドッキリなんてするわけないだろ」と、言った。


それもそうか……。


それでも信じられなくて、梓はマジマジと厚彦を見つめた。


いつも教室内で友人たちを騒いでいる厚彦と、なんら変わりはないように見える。


体が透けているわけでもないし、足もちゃんとついているようだし。
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