死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
「大丈夫だよ、きっとすぐに見つかるから」


玲子は2人の言い争いに気がついて割って入ってきた。


厚彦の声は聞こえていないはずだけれど、時折こういうファインプレーをしていくれるから、梓と厚彦の関係がぎくしゃくせずに済んでいる。


「あ、ほら、見つけた!」


10分後。


声をあげたのは玲子だった。


玲子が持っているのは5年前のアルバムだ。


「リュウヤさんって人だよ」


梓が確認するとアルバムには梶リュウヤという男性が写っている。


「間違いない、この人だ!」


厚彦の言葉に梓は玲子を見て大きく頷いた。


「じゃあ、この人の描きかけの絵がないかどうか、探しに行こう!」


玲子は張り切って言うと、勢いよく立ちあがったのだった。
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