死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
☆☆☆

北中高校の美術部は現在は部室棟の1階に位置していた。


普段あまり訪れない場所なので、梓は緊張しながらノックをした。


「はい」


女性の声がしてドアが開くと、絵の具に汚れたエプロンを付けている若い先生が姿を見せた。


チラリ中をのぞくとここだけ木製の教室で、部員たちが各自好きな絵を描いているところらしい。


「すみません。ちょっと、昔の部員の絵を探してるんですが」


梓がおずおずと質問すると先生は目を丸くした。


「昔の部員の絵?」


そんなもの、どうするのだと言いたそうだ。


「あたしたち新聞部なんです。今度美術部の歴史について記事にしたいと思っています」


玲子が梓の横から堂々と嘘をつく。


なぜかこの嘘をつくときは玲子は生き生きしている。


(そもそもうちの高校って新聞部ってあるんだっけ?)


ふとそんな疑問が浮かんできたけれど、今はそれ所じゃないと思いなおす。
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