死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
「そういうことならいいわよ。どうぞ入って」


促されて一歩美術部へ入ると、絵の具の匂いが染みついているのがわかった。


壁には生徒たちが描いてきた絵が飾られていて、棚には部活で使用する石膏像などが無造作に置かれている。


珍しい空間にキョロキョロと視線を泳がせながら、先生について保管室へと移動した。


それは美術部の奥にある部屋だった。


入ってみると意外と大きな倉庫になっていて、壁も床も天井も灰色で無機質だ。


その中に大きな棚が設置されていて、生徒たちの絵が布にくるまった状態で保管されている。


美術部が発足してからずっと保管されているのか、その絵の量に梓と玲子は唖然としてしまった。


軽く1000枚は超えていると思う。


「一応年代別に並んでいるから、好きに見てちょうだい」


先生はそう言うと、部員たちに指導するために教室へ戻って行ってしまった。


リュウヤさんのいた年代がわかっていてよかった。


梓はホッと息を吐き出す。


「よし、探そうか!」


厚彦が気を取り直すように言ったのだった。
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