死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
梓は驚いて厚彦へ視線を向ける。


「美術室にはさっき行ってきたばっかりでしょ。手掛かりはなにもなかった」


それなのに、また行かなきゃならない意味がわからなかった。


「もう1度美術部へ行けって言ってるの?」


「そうなの。行ったって、なにもないのに」


「いいから、早く!」


厚彦に背中を押されて、梓はしぶしぶ先ほどまでいた美術部へと舞い戻るはめになったのだった。
< 228 / 338 >

この作品をシェア

pagetop