死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
☆☆☆

翌日も学校だったが、梓と玲子、それに厚彦の3人は制服を着てそのままバスに揺られていた。


学校とは反対方向だから、チラチラと他の乗客からの視線を感じる。


「家に忘れ物するなんてついてないなぁ」


玲子が梓に向けて苦笑いを浮かべる。


「ほんとだよぉ。早くしないと授業始まっちゃうし」


梓はやけに大きな声で返事をする。


そうすると乗客たちは状況を理解して、2人から視線を離す。


下手をすれば学校に連絡が言ってしまうため、梓と玲子はこのやりとりを何度も繰り返していた。


そしてたどり着いたマミちゃんの家。


それはバスで20分ほどの場所にある一軒家だった。


道路に面して小さな庭があり、奇麗に手入れされていて、喪服姿の大人たちの姿があった。


家の前まで来て玲子は一旦立ち止まった。


自分の気持ちを落ち着かせるように何度か深呼吸をしている。


マミちゃんの葬儀は確か今日の午後からだ。
< 267 / 338 >

この作品をシェア

pagetop