死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
もしかしたら、ここにはマミちゃんの両親はいないかもしれない。


そうすると、今度は斎場へ向かうことになるのだが……。


考えている間に同じ制服姿の女子生徒3人が家から出てきて、梓たちは咄嗟に電信柱に身を隠していた。


3人は白いハンカチで目元をぬぐいながら、玄関へ向けて頭を下げている。


(昨日の放課後教室にいた子たちだ)


梓の記憶はすぐに呼び起こされた。


彼女たちの明るい声を思い出すと、今の泣き顔が一致しなかった。


3人はマミちゃんの家を出ると、そのまま学校の方向へと歩きだした。


「あの子たちも、あたしたちと同じ目的なのかな?」


通り過ぎて行ったのを見送り、玲子が呟く。


「そうなのかも」


葬儀に出られないとかの理由があって、先に挨拶をすることは珍しくない。


しかし……。


距離が離れたところで3人の笑い声が聞こえてきて梓は動きを止めた。
< 268 / 338 >

この作品をシェア

pagetop