死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
3人はさっきまでの深刻な雰囲気はどこへやら、ふざけ合い、笑い合いながら歩いている。


マミちゃんと特別仲のいい子じゃなければ、その程度のものかもしれない。


親族の前だけで悲しんでみせても、彼女たちにとっては取るに足らない出来事なのかも。


梓はそう考えようと思った。


でも、その考えはどうしても途中で中断されてしまう。


本当にそんな風に考えることができるだろうか?


A組の生徒だって1日沈んだ雰囲気だったのに、同じクラスの子がそんなに簡単に立ち直れるだろうか?


考えれば考えるほど、嫌な予感が強くなっていく。


昨日見た、マミちゃんのノートや教科書が思い出された。


例えば、もしもあの3人がイジメの犯人だとしたら?


それこそ、本当にマミちゃんに死んで欲しいと思っていたとしたら?


そのマミちゃんが死んだとき、笑えるかもしれない。


驚きはしても、本気で泣くことはないかもしれない。


そしてイジメの犯人が家に挨拶に来る理由はなんだろう?


「自分の印象を良くしておくため……」


梓は声に出して呟いた。


十分にありうることだと思った。
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