死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
「ユウコじゃないよね?」


マミちゃんはかすれる声で聞いていた。


一瞬ユウコの両目が大きく見開かれた。


「あたしはレントのことが好きだった。でも、きっとユウコの方が似合うと思って――」


「黙れ。病院に戻れよ!」


最後までえ言わせてももらえなかった。


きっと、マミちゃんの言い方も悪かったんだ。


『ユウコの方が似合う』


それじゃ、見下しているように感じてもおかしくなかった。


現に、ユウコの顔は怒りで真っ赤に染まっていた。


最初からユウコが勝つ勝負だった。


それでもユウコからすれば、ちゃんと戦ってほしかった。


本当にレントのことが好きならば……。


「あの時、どうして言い返さなかったの?」


「それは……」


マミちゃんは何も言えなかった。


あの場で倒れていたなんて言えば、ユウコが気にするに決まっている。
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