死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
「本当に好きなら、言い返せたよね?」


「……そうだね」


頷くしかなかった。


ユウコの言うとおりだ。


あの時一瞬でも、マミちゃんは言葉を失っていたのだ。


その時になにか言えていれば状況は変わったかもしれない。


「もういいよ」


ユウコが吐き捨てるように言って鞄を乱暴に掴む。


そのまま教室を出て行くのだと思っていたけれど、途中で立ち止まり、目を見開いた。


視線を向けると、そこにはレントが立っていたのだ。


レントは険しい表情で2人を見つめる。


「なにしてんだよ」


そして低い声で言った。


ユウコは視線をそらし、マミちゃんはおどおどと視線をめぐらせた。


「くだらない話してないで、帰れよ」


レントの言葉によって、結局誰もスッキリしないまま、帰宅することになってしまったのだった。
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