死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
☆☆☆
厚彦はいなくなってしまった。
それと同時に梓と玲子の平穏な日常が戻ってきた。
あの49日間の出来事はまるで夢だったのではないかと思うときがある。
でも、梓はそっと自分の唇に触れてみた。
キスのぬくもりは今でもちゃんと覚えている。
それに玲子だって、厚彦がいたときの記憶をちゃんと持っていた。
あれは夢じゃなかったんだ。
自分と厚彦は確かに恋人どおしになれたんだ。
「そういえば今日って転校生が来るらしいよ」
玲子の言葉に「へぇ、そうなんだ?」と、梓は気のない返事をした。
「男の子なんだって」
(そっか……)
梓はチラリと厚彦が使っていた机に視線を向けた。
もう49日も過ぎたし、花も飾られていない。
あそこに別の男子が座るのかと思うとなんとなく気持ちが重たくなる。
しかし、その気持ちはすぐに吹き飛ばされることになった。
「はじめまして手中敦(テナカ アツシ)です」
そう自己紹介をした男子生徒はどこか厚彦に雰囲気が似ていた。
そして満面の笑みでこう言ったのだ。
「俺、霊感があるんです。だからこの学校にいる幽霊全部を成仏させてみせます! なお、手伝ってくれる人は随時募集中で~す!」
梓と玲子は目を見かわせたのだった。
END
厚彦はいなくなってしまった。
それと同時に梓と玲子の平穏な日常が戻ってきた。
あの49日間の出来事はまるで夢だったのではないかと思うときがある。
でも、梓はそっと自分の唇に触れてみた。
キスのぬくもりは今でもちゃんと覚えている。
それに玲子だって、厚彦がいたときの記憶をちゃんと持っていた。
あれは夢じゃなかったんだ。
自分と厚彦は確かに恋人どおしになれたんだ。
「そういえば今日って転校生が来るらしいよ」
玲子の言葉に「へぇ、そうなんだ?」と、梓は気のない返事をした。
「男の子なんだって」
(そっか……)
梓はチラリと厚彦が使っていた机に視線を向けた。
もう49日も過ぎたし、花も飾られていない。
あそこに別の男子が座るのかと思うとなんとなく気持ちが重たくなる。
しかし、その気持ちはすぐに吹き飛ばされることになった。
「はじめまして手中敦(テナカ アツシ)です」
そう自己紹介をした男子生徒はどこか厚彦に雰囲気が似ていた。
そして満面の笑みでこう言ったのだ。
「俺、霊感があるんです。だからこの学校にいる幽霊全部を成仏させてみせます! なお、手伝ってくれる人は随時募集中で~す!」
梓と玲子は目を見かわせたのだった。
END