死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
「あぁぁぁ……」


低い、男の声がベッドの下から聞こえてきて、梓は息を飲んだ。


(なに、今の声……?)


確認する勇気なんてないけれど、視線をベッドの下からはずすこともできなかった。


ズッズッ……。


体を引きずるようにしてベッドの下からはい出してこようとしている何かがいる。


暗闇の中でうごめく、更に黒い影……。


梓は悲鳴を上げることすら忘れて口をパクパクさせる。


あまりの恐怖に体は硬直し、身動きがとれない。


次の瞬間、暗闇の中にギョロリと白い2つの目が浮かんで見えた。


それは梓を凝視する。


「ひぃ!!」


(誰か……助けて……!)
< 4 / 338 >

この作品をシェア

pagetop