死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
「本当に、女子生徒がいるの?」


「あぁ。今落ちてきたのにまた屋上に立ってる。ずっとここに留まってるみたいだ」


「そんな……」


学校は色々と怪談話が尽きない場所だけれど、まさか自分が通っている学校にそんな霊がいるなんて思ってもいなかった。


見えないけれどブルリと身震いをする。


「厚彦は自分が幽霊だから見えるようになったんだね?」


梓の質問に厚彦は曖昧に頷く。


「たぶんそうなんだと思う。でも、学校へ来るまでの道のりではなにも見えなかったから、見える幽霊と見えない幽霊がいるのかも」


そう言われれば、厚彦が幽霊が見えると言い出したのは今回が初めてだ。


自分の葬儀にも出たし、町中をうろついたりしていたのに。


「それって、厚彦にとって関係が深い場所だから見えてるってことなのかな?」
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