死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
たとえ厚彦の姿しか見えなくても、すでに片足突っ込んでいるようなものだ。


「おーい頼むよ梓。手伝ってくれ。俺一人じゃ屋上までも行けないんだぞ」


厚彦はベッドに入った梓へ向けて話しかける。


幽霊だから眠る必要がないのだ。


これは厚彦の強みでもあり、朝までずっと呪文のようにささやき続けていたのだった。
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