死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
☆☆☆

梓は真っ暗な部屋の中にいた。


ここがどこなのかよくわからない。


だんだん目が慣れてきたかと思うと、自分の部屋であることがわかった。


(なんでこんなに暗いの? 電気、つけなきゃ)


そう思って壁に手を伸ばす。


いつものように電気のスイッチを押すけれど、電球が切れてしまったのか部屋は暗いままだ。


(嘘でしょ。今まで切れたことなんてなかったのに)


昔の電球じゃないのだから、そんな頻繁に切れることなんてない。


それでも寿命は来るから、きっとそのタイミングだったんだろう。


梓はあきらめてベッドへと歩きだした。


体が重たくてとても眠い。


少し眠ったほうがいい。


そしてベッド前まで来た瞬間だった。


足元からスーっと冷気が這いあがってくるのを感じて、足を止めた。
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