死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
(な、なに……?)


自分の足元を確認してもなにもない。


ただ、全身に寒気が走った。


ここにいちゃいけないと本能的に感じた。


部屋を出るために体の向きを変えようとした、その瞬間!


ガッ!!と、梓の足首を誰かが掴んでいた。


「ひっ!!」


悲鳴を上げて尻もちをする。


青白い手が自分の足首をしっかりと掴んでいるのが見えた。


ズルッズルッと、ベッドの下から何かがはい出してくるような音もする。


「嫌……嫌!」


梓はブンブンと首を左右に振る。


しかし、逃げることはできなかった。


ベッドの下に白い目玉が2つ見えた。


それはじぃーっと梓を見つめている。


そして……「おはよう梓」厚彦の声が、ベッドの下から聞こえてきたのだった。
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