死んだ彼が幽霊を成仏させてみせます!?
等間隔で廊下に置かれているゴミ箱をひとつひとつチェックしていく。


掃除がされた後なのか、どのゴミ箱も空だった。


そして、梓の体は3年C組で立ち止まった。


(あ……この教室……)


それはカナさんがいた教室で間違いなかった。


重たそうな木製の戸を開けると、ガラガラと想像以上に大きな音が鳴る。


教室内にいたのは3人の女子生徒たちだった。


みんな紺色のブレザーを着ている。


「あれぇ? カナ靴下じゃん。どうしたのぉ?」


1人の女子生徒がニヤついた笑みを浮かべて近づいてくる。


カナと呼ばれて、梓の体はビクリと震えた。


(まさかあたし、当時のカナさんになってる?)
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