可愛い腹黒後輩の溺愛が甘い。

 幸は俺の幼なじみで、同じく彼女の七海を拐われた親友だ。

 い、嫌な予感がする……。

「もしもし」

[もしもし、千瀬?]

「幸、どうした?七海がまさか……」

[……ああ、誘拐されたな]

「ッチ、いまどこにいる?」

[地下のすぐそこだ]

「!?本当か!?あっ、すまない車が来た」

[ちょ!?]

 プツッと切れた電話。

「どちらまでですか?千瀬様」

「ここにいそげ」

 そう言ってスマホの画面を見せた。

「かしこまりました」

 プルルルッ

[千瀬!!]

「どうした?」

[七海は無事だったんだが、結輝がいない]

「は?———」
< 289 / 339 >

この作品をシェア

pagetop