Romantic Mistake!
「……颯介さん?」
見たことのない鋭い顔をしている。
「ごめん、全然納得できない。僕の恋人になったのなら、ほかの男の家のシャンプーには触らないでもらえる? ボスだろうと関係ないよ」
低い声が上からずんと響き、冷たい目が私を見下ろしている。両手の力も強くて、今までにないほど責められ、ふと、これってもしかして嫉妬かのかな、と、怖さを感じながらもドキドキしてきた。
「……颯介さん、あの」
「麻織さん、優しいからってつけ込まれすぎてるよ。僕の恋人ってどういうことか、いちから教えてあげた方がいい?」
理由をちゃんと説明しようと思い再度「あの」と遮ったが、残りの言葉は颯介さんのキスにかき消された。
「麻織さん、好きだよ」
昨夜愛し合ったばかりなのに、彼の私を押さえつけて続きを始める。力は強くとも彼の触れ方は優しく、私を求める切なさにあふれていた。誤解を解かなきゃと思うのに、この独占欲が心地よく、私は抱きついて彼に身を委ねた。