Romantic Mistake!
「僕が早計だった。ちゃんと聞いてあげずに、こんなひどいことをしてしまうなんて」
彼はさらにうなだれ、私を労るように体をさする。わざと話さずにこうされることを望んだのは私なのだから、こうして真摯に謝られると申し訳なくなってしまう。
「そんなことありませんよ。誰がどう聞いたって私の電話での話しぶりは疑わしいですから」
「痛くなかった?」
彼の指先は私の首から鎖骨にかけてのキスマークに触れ、赤みを消すようになぞる。ひとつずつそうされていくと、くすぐったくて「ひぁ」と変な声が出た。おしおきをされてもちっとも痛みはなく、強引にされる心地よさだけを感じていた。私を求めて跡をつける颯介さんが愛しくて、うっとりしてしまったくらいだ。
「痛くなんて。……気持ちよかったです」
正直にそう告げると、彼も切ない表情を少し明るくし、「本当?」と微笑む。