アオハルの続きは、大人のキスから
「すぐに行く。お前はそこで黙っておけ、って言ったのは、どこのどいつだ? 蘭」
「時と場合によるだろう。まさか、あんな女豹が小鈴に襲いかかっていたとは思いもしなかった」
「まぁね。でも、私が出る幕はなかったようだけど? ねぇ、小鈴」
「え?」
瞬きをする小鈴に、俊作は柔らかい笑みを向けてきた。
「小鈴は立派にやり返していたよ。最後はあの女、なにも言えなくなっていた」
「俊作さん」
「よく頑張った、小鈴。また素敵な女性になったな」
以前のように、兄の立ち位置でいてくれる俊作を見て、泣きたくなってきてしまった。
瞳を潤ませて彼を見つめていると、なぜか意地悪な笑みを浮かべてくる。
「ねぇ、小鈴。やっぱり考え直さないか?」
「へ?」
「あんな意地悪な女がウヨウヨ周りにいる男より、私の方が誠実に小鈴を愛することができるぞ?」
「っ!」
まさかそんな口説き文句を言われるとは思っておらず、小鈴は顔を赤らめてしまう。
それを見て、俊作は口元を緩める。
「ほら、そんなかわいい顔を私に晒してしまっていいのか? 攫ってしまいたくなるぞ?」
「ご冗談を……」
そう言って頬を隠すだけで精一杯だ。すると、再び久遠に身体ごと抱きしめられてしまう。