アオハルの続きは、大人のキスから
「小鈴は、俺の実力を認めてくれているんだな?」
「もちろんです! 同じ接客業に身を置く者として尊敬しています」
身を乗り出して熱く語る小鈴を見て喜ぶ久遠だったが、すぐに真剣な面持ちに変わる。
「じゃあ、小鈴が尊敬する男の言うことが信じられないか?」
「え……?」
「俊作が先ほど小鈴のピンチを電話で知らせてくれたときに言っていた。小鈴が俺の隣に立つことを躊躇っていると。その憂いをお前が晴らしてやれ、と言われた」
「……」
「なぁ、小鈴。俺の目が節穴だと思っているのか?」
「え?」
「俺は人を見る目には自信を持っている。その俺がお前がいい、お前が一番かわいいと言っている。その言葉が信じられない?」
すごい自信だ。久遠に圧倒されつつ、自分もこれぐらい自信を持ちたいと小鈴は願う。
模擬結婚式までは気持ちは伝えないでくれと久遠に言われていたが、もう我慢できなかった。小鈴は自分の今の気持ちをすべて久遠に曝け出したい。
キュッと両手を握り、久遠を見上げる。
「ごめんなさい。約束を破ります」
「小鈴?」
「私、久遠さんが好き。十年前から忘れたことなんて一度もなかった。ずっとずっと会いたかった。会えて嬉しかったんです」
視界が涙で滲む。自分がかなり興奮しているのだとわかっているが、もう止まらなかった。