アオハルの続きは、大人のキスから
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「再び、お会いできて嬉しいです……小鈴」
「っ!」
ドキッとして慌てて名刺から手を離してしまう。ヒラヒラと名刺が絨毯の上に落ち、それを久遠が屈んで拾った。そして、落ち着いた表情で再び名刺を差し出してくる。
「どうぞ」
「……スミマセン」
恐る恐る名刺を受け取ると、久遠は人好きする笑みを浮かべてくる。
「いえ、こちらこそよろしくお願いいたします。どうぞ、こちらへ」
久遠に促されるままエレベーターに乗り込むと、彼は五十三階のボタンを押す。
扉が閉まり、エレベーターはゆっくりと上昇していく。
シンと静まりかえる庫内。これからのことを考えるとどうしたらいいのかわからなくなる。
しかし、今はただ、椿の代役をしっかりとこなさなければならないだろう。
「どうぞ、こちらへ」
今はまだGMの顔をしている久遠。エレベーターが指定階につき、小鈴に降りるように促し、エスコートしてくる。
緊張している小鈴を見つめたあと、久遠は話しかけてきた。
「仲濱さまは、当ホテルには初めてお越しいただいたのでしょうか?」
「は、はい。とても素敵なホテルですね。この場にいるだけでドキドキしてしまいます」
小鈴がこのホテルにやってきたのは、仕事のため。だからこそ、距離を置いた接し方に徹した。それは、久遠も同じようでビジネストークをしてくる。