アオハルの続きは、大人のキスから
どうして小鈴が久遠の彼女になれたのか。それが未だに不思議で仕方がない。
神妙に頷くと、椿は話を続けていく。
「それで、あの白無垢の出番なのよ。今度プレスリリースをかねて、模擬結婚式をするんだって」
「ちょっと待って、椿ちゃん。ホテルが挙式事業に乗り出すことはわかったし、模擬結婚式をしてプレスリリースをすることもわかる。だけど、山野井とはなにか関係があるの?」
あの白無垢は、山野井が提供したものではないはずだ。もし、そんな話があれば、さすがに私の耳にも届くはず。素直に疑問をぶつけると、椿はなんてことない様子でサラリと言う。
「だって、花嫁役は小鈴がやるんだもの」
「は……? え、え――!?」
あまりにビックリして叫びながら立ち上がると、椿は耳を塞ぐ。
「もう、小鈴。うるさい」
「だ、だって。どうして私が花嫁役をやるの? 山野井には何にも関係ないよね?」
「まぁ、そうねぇ」
「そうねぇ、って! 椿ちゃん!」
当初叔父に頼まれたなんて言っていたが、結局それは嘘だったらしい。必死に抗議すると、椿は顔を顰める。