アオハルの続きは、大人のキスから


「小鈴が到着してから、ずっとだ」

「声、かけてくれればいいのに。意地悪ですね」

「小鈴が小動物みたいにウロチョロしてかわいい姿を曝け出しているのが悪い。ずっと見ていたくなるだろう?」

「なりません!」

「そうか? ハムスターとかの小動物がかわいい顔してウロウロしているのを見たら、小鈴だって目尻が下がるだろう?」

 確かにその通りかもしれないが、意地悪なことを言う。これも十年前の腹いせで言っているのだろうか。

 こちらが劣勢なのはわかっているが、それでもムッとしてしまう。

 明らかに不機嫌になった小鈴を見て、久遠はフッと力を抜いてほほ笑む。その笑みは大人の色気を醸し出していて、ドキッとしてしまった。
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