アオハルの続きは、大人のキスから
真っ赤な顔はすでに久遠に曝け出してしまっている。それでも少しの抵抗を見せて、小鈴は顔を背けた。
「……していますけど。でも、久遠さん。昨夜と言っていることがちぐはぐですよ」
「そうか?」
シレッと答える彼に、小鈴はムキになる。昨夜、久遠は言ったはずだ。恋ができなくなったのは小鈴のせいだ。だからこそ償え、と。
それなのに、今夜の久遠は最初から甘々モードだ。一晩で、どう切り替わったのか。
昨夜、小鈴は椿のマンションで一人悶々と考え込んでいたのだ。久遠にどうやって謝ったらいいのだろうかとか、償いをしろと言われたけどなにをすればいいのかとか。
本当に模擬結婚式の花嫁役をやれば過去の行いをすべてチャラにしてくれるのか、等など。
それはもう、なかなか寝付けないほどだ。悩み考え抜いた結果、どうするのが正解なのかもわからなくなり、結局寝不足な小鈴が出来上がっただけだった。
それなのに、久遠の昨夜と今夜のギャップ。どう対処すればいいというのか。
顔を背けたまま唇を尖らしていると、彼は小鈴の顔を覗き込んできた。唇と唇が触れ合ってしまいそうなほどの距離に、ますます胸の鼓動が早まる。