アオハルの続きは、大人のキスから


「ここまでで大丈夫ですよ、久遠さん」

「本当は、家まで送りたかったんだが……」

「大丈夫ですって。私、まだこれからお店に戻らなくちゃいけませんし」

 模擬結婚式に向けてのあらかたのスケジュール調整をしたのち、久遠と共にホテルから出てきた。

 すぐ目の前には呉服屋山野井がテナントに入っているショッピングモールの建物がある。その入り口まで、久遠が送ってくれたのだ。

 とはいえ、彼としては自宅まで送り届けると言って聞かなかったのだが、やり残している仕事があったからと伝えるとようやく折れてくれた。

 しかし、次は店の前まで送ると言い出し、それを断るのも一苦労だったのだ。

 とにかく、モール入り口までということで渋々納得してくれて胸を撫で下ろす。
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