アオハルの続きは、大人のキスから

「蘭。小鈴が花嫁役をやる気だから、彼女を貸すだけだ。それ以外では、接触しないでくれ。わざわざGMが出てこないでも、他のスタッフがいるだろう? 女性スタッフに変更してほしい」

「……どうして、そこまで言うのか。わけがわからないな、俊作」

 一瞬不穏な空気が立ちこめたが、そこはホテルのGMだ。久遠は柔らかい物腰で聞く。
 すると、俊作は小鈴の肩を抱き寄せてきた。

「小鈴は大事な女性だ。お前に近づいてほしくない」

「俊作さん!?」

 声を上げた小鈴を無視し、俊作は久遠に言い放つ。

「小鈴に近づくな。それだけだ」

 そう言うと、俊作は小鈴の肩を抱いたままモールの中へと入ろうとする。抵抗しようとする小鈴に、俊作が小声で制止してくる。

「小鈴、今はとりあえず中へ」
「で、でも」
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