キス、涙々。
スキ、涙々。
こんなことしたくないのに。
そう思うこと、はや数ヶ月。
わたしは今日も校門まえに突っ立っている。
「うわ。今日って服装指導の日だっけ」
けだるそうな声が聞こえてきた。
とげとげしたマイナスの感情が心に刺さり、この場から逃げ出したくなった。
でも……でも、やらなきゃ終わらない。
がんばれましろ。今週はあと2日。
「あ、あの!こちらにもどうぞっ」
男子委員のほうがつまりはじめたから、手をあげてそう促した
……の、だけど。
わたしの腕章をみた人はみんな顔をしかめた。
お前もか、って顔。
「さいあく。昨日ジェルネイルしたばっかなのに」
「うわーそりゃツイてないわ」
だるそうに歩いてきた女の子たちが、目の前でそんな会話をくり広げる。
うっ、いたたまれない……
「あの、それって今すぐ落とせたりしますか……?」
「はあ?ジェルネイルだって言ってんじゃん。すぐにほいほい落とせるもんじゃねーんだよ」
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