キス、涙々。


わたしのテンパりようもツボだったのか、神谷さんはひとしきり笑ったあと立ち上がった。



「じゃあアタシ、バイトいかなきゃ」

「バイト?」

「そ。駅前のパン屋」


そこならわたしも何度か行ったことがあった。


背を向けようとした神谷さんを呼び止める。



「あ、ありがとう!神谷さん」

「ん。こっちこそ、委員が忙しいのにありがとね」


とんでもない、わたしだってクラスの一員だ。


出し物を手伝うのは当然……あ、もしかして



お前はクラスメイトだと認めてない…といったことでしょうか……

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