キス、涙々。


青くなっていたわたしを、神谷さんはすこし歩いて思い出したように立ち止まった。



「またなんか分からないことあったらアタシでも……他の奴でもいいから、積極的に呼んでくれたら助かる。同じクラスなんだし、そんな取って食ったりしないから、さ」


そしてわたしがなにか言う前に、神谷さんは頬をかいて、すこし決まり悪そうに歯をみせて笑った。




「じゃあね、泣き虫な画家さん!」



じわりと胸のなかに広がるあたたかなもの。


それを零さないようにしながら、わたしはそっとほほ笑んだ。


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