キス、涙々。
前からずっと思ってたんだけど、なんでハギくんはこんなわたしと一緒にいてくれるんだろう。
すきあらば泣き顔を拝みたいのはわかるんだけど、それだけだったら他の人でもいいはずなのに。
あれ?
というかわたし、最近あんまり泣いてないな。
だとしたら、そろそろハギくんに愛想をつかされてもいい頃なんじゃ?
なぜか胸がツキリと痛んで、そんな感情にモヤッとした。
「ええと……」
「もういい」
「っ、え……」
突き放すようなセリフにあわてて顔をあげたのと、ぐいっと手を引かれて強制的に横に戻されたのはほぼ同時だった。
片手で箱をもっているハギくんとは違い、両手が塞がっているわたしは。
そのまま寄りかかるような体勢になってしまう。
「俺の隣はいや?」
「っ、!?いやじゃないよ!」
「俺もいやじゃない。じゃあずっと隣にいてよ」