キス、涙々。
「そうやってすぐ泣いて。あたしらみんなね、わかってんのよ。あんたがそうやって気を惹こうとしてること」
そんなことしてない。
首を振るのが精一杯でなにも言えなかった。
「泣いてるわたし可哀想。みんな心配して~って思ってるんでしょ?“どうせ”」
長野さんの言葉に、後ろでずっとスマホをいじっていた女の子も顔をあげる。
中学のとき長野さんとよく一緒にいた子だ。
「どうせ高校でもその顔で男たぶらかしてんでしょ?言っとくけどそんな可愛くないからね、あんた」
その言葉に長野さんは堪えきれないといったように吹き出した。
「言うねぇ。で、話を戻すけど。あんたんとこもうすぐ文化祭でしょう」
「……はい」
「告白大会とかいうふざけた企画、あるよね?」
どくんと大きく心臓が鳴った。