キス、涙々。
コエ、寧々。ⅱ
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「……え?」
文化祭当日。
休むわけにもいかなくて、じんわりと腫れた目のまま午前の見回りをしていたときだった。
渡されたものを見て、目をぱちくりさせる。
「これ、スタンプラリー?」
目の前のウサギさんは頷くばかりで、なにも言わない。
手元のカードには手書きの○が6つあった。
ここにスタンプを押してってもらうのかな。
「わたしにもくれるの?」
また、うんうんってする。
わたしはもう一度、カードに視線を落とした。
裏返してみても、なにも書かれていない。