キス、涙々。
ちなみにお父さんは温厚篤実でいっしょにお母さんを止める役。
たぶん、というか十中八九。わたしはお父さんの遺伝子をかなり色濃く受け継いだ。
中学も卒業までずっとこんな感じで、友人らしい友人はひとりもできなかった。
高校ではさすがに人前でひんひん泣くこともなくなったし、わりと涙を制御できるようにもなったと思う。
それでも根っからの泣き症はそう簡単に治せない。
女子たちからの嫌悪も健在だった……というか、これは年々増している。
これにはもうひとつ、ある理由が関係しているんだけど……なるべく言いたくない。
とまあ、喜んでいいのか、高校入学と同時にわたしはいじめられっ子を卒業。
そんないじめられっ子あがりのわたしにできた最初の友だちが美晴ちゃんだった。
わたしとは正反対の、明るくて、可愛くて、人気者の美晴ちゃん。
高校2年生も半ばにさしかかったいまでも、初めての会話ははっきりと覚えている。
『あ、それ。ポポロくん。あたしも持ってるよ』