キス、涙々。
元々演技力のあった彼女は実力派女優としてドラマに引っ張りだこ。
さらにスタイルの良さを生かして、グラビアアイドルとしても成功しているようだった。
本屋に置いてあった写真集。
いつかテレビの中で見たイメージとはまったく異なっていた。
きりっと挑発的につりあがった眉。
自然にあがっている口角。
ぱっちりとした澄んだ瞳は、まっすぐにこちらを見つめている。
わたしはもう、自分がアユリちゃんと似ているとは思わなかった。
それどころか。
過去に少しでも思ってしまったことを、心の中で恥じてしまうほどだった。
それくらいに彼女は可愛く、まぶしく、輝いていた。