キス、涙々。
「そういえば。美晴ちゃんがポポロくんのハンカチ使ってるの、1回も見たことない」
「ポポロくん?ああ、あのハンプティダンプティみたいなやつね。だって嘘だから」
「嘘でしょ」
「うん。だから嘘だって」
「いや、嘘なのが嘘でしょ!?えっ、嘘なの!?」
ここにきてまさかの衝撃発言。
美晴ちゃんはなんとポポロくんのハンカチを持っていなかった。
それどころか、その存在すら知らなくて。
わたしに話しかける前にスマホでこっそり調べていたんだとか。
「……ちょっと待って。ってことは」
「うん」
「美晴ちゃんは、なんの接点もないわたしに話しかけてくれたってことになるけど」
しかも、同じハンカチを持ってるって嘘をついてまで。
なんで?
わたしには理解できないことでも、美晴ちゃんのなかでは当たり前だったらしい。
「そりゃあ、ましろと友だちになりたかったからに決まってるじゃん。その気持ちに嘘はないよ」