キス、涙々。
「美晴ちゃんっ!」
「ましろ……」
「ありがとう。大好き。大好きだよ、美晴ちゃん……ごめんね」
気持ちまで伝わってしまうんじゃないかってくらい、強くつよく抱きしめる。
耳元でぐすんと声が聞こえて、すぐに嗚咽がやってきた。
美晴ちゃんが、泣いてる。
美晴ちゃんが泣いてるところを見るのは初めてだった。
わたしは背中に回した腕にもっと力をこめる。
「みんなの前でああ言ってくれて、うれしかった」
同じくらい抱きしめ返してくれる美晴ちゃんは、わたしの肩に顔を埋めて涙声で……
それでもしっかりした声でこう言った。
「当たり前よ。だって、大切な友だちなんだから……」