キス、涙々。
ハギ、まもる
抱きあうふたりを遠くから見ていたら、いつのまにか隣に加賀屋がならんでいた。
加賀屋はこっちも見ずににやりとわらう。
「はは、フラれてやんの」
「うるさいよウサギちゃん」
「あんなかの暑さ、お前知らねーだろ?いきなりタックルしてくるやつはいるし」
そういえばときおり腰を庇うような仕草をしている。
どうせタックルされたときに痛めでもしたんだろう。ざまあみろ。
「知ってるけどね、暑かったこと。俺も途中入ってたし」
「は?クマはずっと粟田だったろ」
粟田。
ヤオと同じ風紀委員の粟田真夏だ。
おそらく神谷さんから話を聞いたのだろう。
『うちにできること、なにかない?』
話し合いをしているとき、向こうから声をかけてきた。