キス、涙々。




保健室にいくと先生はちょうど不在だった。



「わたし探してくるね!」

「いいよ」

「えっ」

「いいよ、大丈夫」


飛び出そうとしたらハギくんに呼び止められる。


振りかえると、彼はわたしよりもずっと落ち着いて椅子に腰かけていた。



「ヤオが手当てして」

「え、でも……いいの?わたし、保健委員じゃない」


みるも耐えない結果になってしまうかもしれない。

誰かの手当てなんてしたこともなかった。


だけどハギくんは大丈夫、と言う。



「他人に触られんの、苦手なんだよね」


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